アマゾンは会員数の頭打ちに
悩んでいる
そのアマゾンにとって頭が痛いのが、プライム会員数がそれ以上増えないという現象です。すでに飽和状態になっているうえに、2022年2月に年額119ドルから139ドルに値上げしたことで会員数が純増しなくなった。言い換えると新規会員と同じくらい退会者も増えているのです。
アメリカは日本以上のインフレに悩まされていますから、生活防衛のためにAmazonプライムを退会する人が出てくるのはある意味わかります。そこで、今回のような戦略をアマゾンが模索しているのだと私はとらえました。
生活防衛のためにはスマホの通信料もAmazonプライムの中でまかなえるようにサービスメニューを拡大すれば、消費者も生活防衛のためにAmazonプライムをやめる必要がなくなります。
ですから、このニュースを耳にした私は、「意外にこのサービスは成功するかもしれない」と即座に思ったわけです。
これが成功すればの話ですが、GAFAMクラスのIT企業にとっては携帯サービスが持つビッグデータの有用性は莫大(ばくだい)です。この点ではグーグルとアップルはアマゾンに対して優位性を持つわけですが、この業界地図が、アマゾン携帯サービスが普及すれば塗り替わることになるのです。
さて、ここからお話しする未来予測は「もしも?」が二つ重なったときに起こることです。たとえ、それぞれが5割の確率だったとしても、それが二つ起こる確率は25%と高くはありません。ただ、それが起きたときのインパクトはものすごいことがある。そんな話です。