20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2024』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)

大学生Photo: Adobe Stock

 龍谷大学は3つのキャンパスを持つ学部割れ大学だ。ただし、文学部と2023年新設の心理学部は3、4年生のみ大宮キャンパスに通うので、学年割れ大学でもある。

深草キャンパス

 メインのキャンパス。京阪電鉄深草駅は2019年10月、大学の略称を加えて「龍谷大前深草」駅に変わり、そこから徒歩3分。JR稲荷駅、地下鉄くいな橋駅からも徒歩8分ほどだが、校舎前の信号待ちに引っかかると、プラス4~5分かかることも。落ちついたレンガ色の校舎。周囲の木々と芝生も美しい。平山郁夫画伯の祇園精舎の巨大な銅版画が自慢で、夜はライトアップされて幻想的だ。キャンパス内の廊下や階段には、ありがたい仏教のお言葉が掲げてあり、チャイムが独特のメロディを奏でる。芝生広場周辺にはオーロラビジョンが常設されているが、「年に数回しか活用されていない」。

 学食は22号館にある約750席のメインダイニング、オムライスが人気の3号館地下食堂、ドリンクやスイーツが充実した4号館地下食堂など。メニューは豊富で、学生の企画なども取り入れている。

「和顔館」は白を基調にしたガラス壁の先進的なデザイン。学友会館の建て替えを行い、2020年春に完成した「成就館」には多目的ホールやカフェなどがあり、サークルなどの課外活動をはじめ、地域連携、ボランティア活動などの拠点となっている。セブン-イレブンやスターバックスなども出店し、だんだん今風になってきている。キャンパス内には短大も同居。

大宮キャンパス

「京都駅に最も近い大学」。しかし、ここの魅力はキャンパスの内側で感じるべきだろう。2009年竣工の清風館のように新しい外観の建物もあるが、全体的に京都らしいしっとりとした情緒がある。「東黌(とうこう)」がメインの教室棟として新たに生まれ変わった。この建物は新築でありながら、明治期に建てられ国の重要文化財に指定されている本館、北黌・南黌などの建築群との景観的調和が図られている。明治初期にはすでに大木だったという大イチョウの木も学生たちを見守っている。

 世界文化遺産の「西本願寺」隣という立地もいい。図書館の蔵書数は75万冊以上で、国宝の平安末期写本、『解体新書』の初版本など、とんでもないレベルの蔵書がいっぱい。2023年新設の心理学部生が3年に進級すれば2学部に。

瀬田キャンパス

 JR瀬田駅からバスで8~12分。大津からならバスで20分。京阪電車中書島駅からの直通バスも運行。深草キャンパスとの間にはスクールバスもあり、所要約40分。何もない田舎にインテリジェントビルがそびえ立つ。周りを山に囲まれているので、ときどき方角がわからなくなるとか。大津市の文化ゾーンにあるため、少し歩けば美術館や市立図書館にも行ける。ドーム型の雨天練習場やイベントホールなどの施設が充実。国登録有形文化財に指定されているキャンパス内の礼拝堂「樹心館」は一見の価値あり。