大学再編によって医学部の学閥勢力図がどう塗り替えられるかをシミュレーション。大阪大学の阪大閥、名古屋大学の名大閥を脅かすのは?特集『今なら目指せる! 医学部&医者』(全24回)の#6では、全国82の医学部を7エリアに分けて学閥マップを作成し、今回は西日本編として「関西」「中部」「中国・四国」「九州・沖縄」のマップから学閥異変の詳細をお伝えする。(ルートマップマガジン社 西田浩史)
有力国公立医学部が多い西日本で
大阪大閥や名大閥を脅かすのは?
学閥は教授ポストや関連病院の人事などに影響力を持つことが多い。その学閥の異変が全国各地で起こっている。そこで全国82の医学部それぞれのエリアごとの詳細な学閥マップを作成した。全国300塾の塾職員や医学部予備校、医学部関係者への聞き取りに基づいてエリア別に学閥の勢いや支配状況をまとめたもので、関係者による医学部の合併や将来の学閥の変化についての予想も盛り込んだ。
学閥を知る上でまず押さえておきたいのは、医学部はピラミッド構造の序列を成し、歴史の古い最上位の医学部が歴史の浅い下位の医学部や関連病院を支配する構図になっていることだ。その頂点に君臨するのが東大、京都大学、大阪大学をはじめとする七つの旧帝国大閥。これに続くのが千葉大、金沢大学など旧制六医科大で、旧制医専、新設大・医学部という順になる。
私立の新設大学医学部の学閥が強まったり、国公立で合併が起きたりすることで、これまでの序列と学閥の構図に変化が訪れている。
首都圏は有力私立医大が多く、そこから新勢力が生まれている(本特集#5『医療界で「東大閥・慶應閥・千葉大閥」が弱体化しつつある理由【全国82医学部の学閥マップ・東日本編】』参照)。関西を中心とした西日本が首都圏と大きく異なるのは、私立医学部が少なく、有力国公立医学部が多いことだ。
本特集#6は西日本編。旧帝大である大阪大の阪大閥や名古屋大学の名大閥を脅かす動きとは?次ページでは、関西、中部、中国・四国、九州・沖縄の各マップから学閥異変の詳細をお伝えする。