自分の考えていることが、うまく人に伝えられない」「人とコミュニケーションをとることに、苦手意識がある」と悩む方は多くいます。しかし、その悩みこそ「相手とよい関係を築き、人を動かす」ための第1歩に変えられるのです。『超完璧な伝え方』の著者、4代目バチェラー・黄皓氏による「誰とでもスマートに人間関係を築く」ための簡単なテクニックを紹介します。

「話すのがうまい人」が会話をするとき気をつけること【ベスト3】Photo: Adobe Stock

①相手と共通認識があるもので「たとえ話」をする

あらゆるコミュニケーションの前提は「自分の常識と相手の常識は絶対的に違う」ということです。

だからこそ、共通認識があるもので話をしなければ伝わらないことがたくさんあります。

共通認識をうまく活用したコミュニケーションが「たとえ話」です。

日本では、「とにかく打席に立たないと、結果も残せない」や「コミュニケーションはキャッチボールだよね」など、野球にたとえることが多いと思います。

野球は日本で非常に人気があるスポーツで、知識を持っている人も多いからです。

ところが、中国で物事を野球にたとえる人は、ほとんどいません。もしたとえるなら、卓球のほうが伝わりやすいと思います。

つまり、日本人と中国人のあいだでは野球が共通認識になりません。野球のたとえ話をしてもコミュニケーションは成立しないわけです。

たとえ話には「できるだけ多くの人が知っている事柄」を選ぶのが基本となります。

私の場合は本書でも何回か使っているように、日本では認知度の高い「野球」と、より認知度の高い「じゃんけん」をたとえ話にすることが多いです。

②自分の感覚ではなく「相手が理解できる言い方」で説明する

相手が理解できるように「どう話すか」も大切です。

プロ野球選手やプロゴルファーには、長年の経験から自分の感覚を言語化できる方も多くいます。ところが、その感覚はその人独自のものであり、そのまま他の人に伝えても理解できるとは限りません。

そのため、野球やゴルフには「ティーチングプロ」という職業が存在します。

ティーチングプロは人に教える専門家です。

「なぜ、これが理解できないのか」を相手に合わせて分析し、その人に伝わる言い方で教えることができます。

スイングの仕方一つを伝えるために、5パターンや10パターン以上の伝え方を持っているのです。

一つの事柄について、相手に合わせて複数のパターンで説明ができるように準備しておくことで、相手の理解度は大きく変わります。

③「新しく知った言葉」を実際に使ってみる

難しい言葉を覚えるだけでは意味がありません。

とはいえ、コミュニケーションの幅を広げるうえでは、様々な単語や表現を使えるようになっておいたほうがよいこともたしかです。

語彙を増やすために必要なのは、インプットではなくアウトプットの繰り返しです。
いくら本を読んだり、テレビを観たりしても、実際に自分で使わないと新しい言葉は身につきません。英語で洋画を観てもなかなか覚えられないのと一緒です。

とはいえ、難しく考える必要はありません。ただ誰かと話せばいいだけです。

新しく知った単語や言い回しを相手に向かって実際に喋ってみてください。

すると、相手は何かリアクションをしてくれます。その言葉が伝わっているか、使える言葉かどうかは、相手の反応でわかるわけです。

その繰り返しで「伝わる語彙」を集めていきましょう。

(黄皓著『超完璧な伝え方』から一部を抜粋・改変したものです)