ビル・ゲイツ氏が予見した
「二度とアマゾンに行かなくなる日」
さらに「オープンAIのチャットGPTは1980年代以降で最も重要な技術的進歩である」と語るゲイツ氏は5月22日、ゴールドマン・サックスと投資ファンドSVエンジェルが米サンフランシスコで開催したAIをテーマにしたイベントで次のようなことを語っている。
「将来AIのトップ企業が、人に代わって特定のタスクをこなすパーソナルなデジタルエージェントを作り上げる可能性が高い」
「この技術は非常に奥が深く、ユーザーの行動を根本的に変えてしまうかもしれない」
「パーソナルエージェントを制する者が誰であろうと、それは大きな意味を持つ。なぜなら、あなたは二度と検索サイトには行かず、生産性向上サイトには行かず、アマゾンにも二度と行かなくなるだろうからだ」(米CNBC、5月22日)
チャットGPTを含む生成AIは、働き方や勉強の方法、休日の過ごし方といった私たちの日常生活を根底から変えてしまう可能性がある。これらの技術は新しすぎて、どのように利用し、どうやってマネタイズ(収益化)するのか試行錯誤は始まったばかりだ。利用しても本当に安全なのかという疑問もある。
ただ、生成AIに関連する会社の株が大いに注目されることになり、その株価は急激に上がっている。新しい技術への投資が加熱し、結局バブルがはじけるという失敗はこれまで何度も犯してきたような気もする。しかし、リスクを取ることを恐れない投資家は、この分野の株に投資するのが悪い考えとは思わないだろう。
マイクロソフトは、この生成AI関連の企業群では最も安定した投資先と考えられる。同社はAIを活用したさまざまな商品を提供しており、オープンAIとの提携により、将来的には生成AI技術の進歩から大きな利益を得ることができるはずだ。
オープンAIへの巨額投資を武器に検索市場の圧倒的王者だったグーグルに挑むマイクロソフトの鼻息は荒い。