チャットGPTの生みの親に
マイクロソフトは100億ドルを投資

 チャットGPTは、AIサービスの名称であり、そのチャットGPTを構築した企業である米オープンAIは上場していない。そのためチャットGPTに直接的に投資することはできないが、その関連銘柄にはできる。

 その代表例が、オープンAIに複数回にわたって投資している米マイクロソフトだ。株価は、この半年(6月9日現在)で29.4%上昇している。

 マイクロソフトは、1975年にビル・ゲイツ氏らにより設立された。85年、OS「Windows」をリリースし、デスクトップコンピューティングの主流となった。その後の95年には、インターネットの普及に伴い、ウェブブラウザ「Internet Explorer」をリリースした。

 2000年代に入ると、企業向けのソフトウェアやクラウドサービスといった新たな領域へと事業を拡大。10年代からは、AIとクラウド事業の推進を強化している。IT業界における巨大コングロマリット企業となったマイクロソフトにおいて、チャットGPT関連事業はまだまだ事業規模としては小さい。

 しかし、マイクロソフトは今、チャットGPTを搭載した検索エンジン「Bing」で大きな賭けに出ており、同社のサティア・ナデラCEO(最高経営責任者)は新しい検索エンジン競争が起きていると発言している。

 検索市場を失うわけにはいかない米グーグルの親会社である米アルファベットは、オープンAIのライバルに当たるアンスロピックに3億ドル以上を投資した。米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」が確認した投資家向けプレゼンテーションによると同社は、「今後2年以内に最大50億ドルを調達し、スタートアップのチャットGPTのライバル『クロード』を動かす大規模言語モデルを進化させる見込み」(ウォール・ストリート・ジャーナル、5月8日)だという。

 複数年で100億ドルをオープンAIに投資するといわれているマイクロソフトとの「検索」競争は激化している。