Z世代は「自分らしさ」を重視
カスタマイズギフトが人気
ただし、そうしたカジュアルギフトを選ぶ際にも課題がある。ちょっとしたお礼であれば、ドリンクチケットやコンビニのから揚げなどで事足りるだろう。だが、誕生日やその他の特別なことに対する本格的なギフトであれば、Z世代特有の配慮が必要になる。
というのも、Z世代はSNSを通じて日々他者のさまざまな趣味や価値観に触れ、そうした多様性を認めると同時に、自分の個性や自分らしさも重視する傾向がある。さらにその自分らしさを友人や知人など他者にもわかってほしいと思う“承認欲求”が強いのも特徴だ。
だからこそ、ギフトでも「自分のことをわかってくれている」「これは自分に対する特別なギフトである」ことが伝わり満足感が得られるものが、より喜ばれる。
つまり、万人受けするマス商品ではなく、贈る相手の個性に合わせて、カスタマイズやパーソナライズされた要素があることが、ギフト選びでは重要となる。単に高級だったり、レアな商品であったりすることより、“自分に向けたものである”点が、相手に気に入られるポイントになるわけだ。
このようなギフトを贈るのは、至難の業だ。誰もが日常で使う汎用的な製品であれば、無難で実用性は高いかもしれないが、特別感はなくなる。逆に、相手の趣味や生活に合わせて商品を選択すれば特別感は出てくるが、センスが問われ、商品選びのハードルが高くなる。選ぶのに手間も時間もかけたのに相手の好みに合わなかったという悲劇を生む可能性もある。
だが、そうしたZ世代特有の事情をクリアできるギフトも登場し始めている。
そのひとつが、マンダムが提供しているカスタマイズギフトサービス「EMOTIONS by mandom」だ。
これはヘアスタイリング剤や汗を拭きとるボディペーパーの商品ラベルに、自分たちの思い出の写真(画像)とメッセージを入れて、オリジナルのギフトを作ることができるサービスだ。スマホもしくはパソコンで専用のサイトにアクセスして、商品とラベルのフレームを選択。好きな写真をアップロードし、メッセージなどを入力して注文手続きをすれば、指定した配送先に届く仕組みだ。
拡大画像表示
同社マーケティング戦略部の原真也氏は「商品に好きな写真を付けられる点がポイント。スマホで日常的に撮影しているZ世代にとって、写真は最も感情を揺さぶるアイテムのひとつであり、ギフトにそれが付いているだけでエモさ(感情が揺り動かされた状態)を演出することができる」と、話す。