決算書の中でも資産や負債の状況を表すBS(貸借対照表)には、会社のビジネスモデルが色濃く反映される。特集『決算書で読み解く! ニュースの裏側 2023夏』(全27回)の#13では、くら寿司vs銚子丸、ニトリHDvsファーストリテイリング、アサヒGHDvsキリンHDなど、対立構造で読み解く8社のBSを紹介。決算書の裏側にある各社のビジネスモデルを解説していこう。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
BSの実例で読み解く
8社のビジネスモデル
「万年割安株」の汚名を返上へ――。3月、大日本印刷が大胆な政策保有株の売却方針を掲げたことが話題を集めた。
政策保有株とは、企業が他社との営業上の“お付き合い”などで保有する持ち合い株のこと。政策保有株が多ければ、それだけ本来事業の成長投資に活用すべきお金が埋没しているということになる。
同社は、保有する政策保有株を純資産の10%未満に減らし、実に2200億円ものキャッシュを創出する方針だ。長年株式市場での評価が低迷していた同社だが、資産効率を向上させることで、巻き返しを図る考えだ。
さて、このニュースを理解する上で欠かせないのが、PLに並ぶ財務諸表のもう一つの柱、「貸借対照表(BS)」の知識だ。
PLに比べてとっつきにくい印象を抱く人もいるだろうが、難しく考える必要はない。まずは、その基本知識をおさらいしよう。
加えて、次ページ以降では、くら寿司vs銚子丸、ニトリHDvsファーストリテイリング、アサヒGHDvsキリンHDなど、対立構造で読み解く8社のBSの実例を紹介。決算書分析の醍醐味ともいうべき、裏側に隠された各社のビジネスモデルを解説していこう。