<その4>
質問する記者を隣に座らせ、マスクも外させる

 従来の会見とは違い、今回の会見は質問する記者がジュン氏の隣に座り、両者がカメラに映るかたちで行われた。ネット上では「徹子の部屋方式」とも名付けられている。

 さらに最初に挙手した女性記者に対して、ジュン氏はマスクを外すように求めた。これは記者にとって、緊張感のあるやり取りだっただろう。

 記者席から質問をする記者の顔がテレビやカメラに映ることは少なく、記者は名前を名乗るものの、顔がさらされる事態になることは少ない。場の設定を対等にすべきだというジュン氏の意思を感じる場面だった。

 以上、見てきたように今回の会見は、マスコミがジュン氏に求める内容(今回の場合は不倫についての詳細)を語らせるというよりも、ジュン氏がマスコミに求める内容を語るものだった。

 これまでも報道被害に苦言を呈してきた著名人はいるが、ここまで異例ずくめの会見は初めてだったのではないだろうか。

 メディアのあり方が問われ、発信のかたちが変わっていく中で、芸能ゴシップの報道もこれまでと同じではいられない。そのことを如実に突きつけた会見であり、後年から振り返った際に、一つのターニングポイントと記憶されうる会見であったとも感じた。

 全体の内容に関しては、妻に了解を取らずに行われた会見である点への批判から、妻をかばう言葉が冒頭で発せられたことへの称賛まで、さまざまだったが、受け止められ方に幅があることこそ、この会見の異色さを示しているようにも思う。

<会見全文はこちら(日刊スポーツ)