<その3>
「切り取り」への批判
ジュン氏は記者会見の冒頭で、まず伝えたのが妻についての言及だった。「最高の母、家族や親戚の中でも最も頑張る、すてきな女性」と語った。
そして、その後にすぐ語り始めたのが報道による「切り取り」被害である。
今回の騒動の中で、ジュン氏が出席したイベントで「けじめつけます」「お楽しみに」と語ったことだけが切り取られ、震災の月命日にあたる日に福島で行われたイベントであったにもかかわらず、誤解を呼んでしまったと謝罪した。
福島や脱原発への思いを語ったあとで、再度「こうして多くのメディアの方が集まってくれて、ここまでの話を、どこをどう切り取って出すか」と報道陣に語りかけた。
テレビや雑誌は、尺や紙面の関係上、どうしても会見全文を載せることはできない。その際に、最も関心を集めるような、インパクトのある部分だけを抜き出したがることは誰もが知る事実だ。一方、最近ではネット上で、注目度の高い記者会見のやり取りをすべて載せる記事も見かける。
日刊スポーツは、ジュン氏の会見をすぐに全文掲載で報道した。タイトルは「キャンドル・ジュン氏 1時間弱に渡り謝罪、平和への思い、家族らへの気遣いなどを訴える/全文」と、スポーツ紙にしてはだいぶトーンを落としているように見える。