経済成長こそが
防衛費を賄う唯一合理的な方法
前述の通り、防衛費増額の不足分は1兆円とされているが、2023年度の予算案は114兆円を超えている。本当に全体のわずか1%未満の予算調整(しかも補正予算を含まない)すらできないのだろうか。
仮に1%未満の調整すらできないなら、それは政府の行政改革の怠慢にすぎないといえる。まして、日本の税収は22年度に70兆円を超すペースとなっており、このままのペースで税収が増加し続ければ防衛増税の必要性は全くない。
個人消費や企業収益が改善することで税収が増加すること、これこそが通常の国の防衛予算増額のための方策である。安易に増税に頼る発想が日本に失われた30年を作り出し、わが国が中国に防衛力で劣後する状況になったことを真摯(しんし)に反省するべきだ。我々は自らの国を守るために正しい政策を選択していく必要がある。