改正反スパイ法を
企業に拡大適用する恐れ

 今後、中国は改正反スパイ法にのっとり、日本人への不当な拘束を続けていくだろうし、さらに企業に対する同法の適用も拡大する恐れがある。

 時事通信社によれば、中国当局はコンサル大手の凱盛融英信息科技(キャップビジョン)子会社を捜索、同社は地方の党・政府や国防・科学・工業分野の人員と頻繁に接触したり、「国家の敏感なデータ」を入手していたとされる。

 また、中国当局は3月に米企業調査会社ミンツ・グループの北京事務所を捜索し、現地従業員を拘束したほか、4月には米コンサル会社ベイン・アンド・カンパニーの上海事務所を訪れて従業員を尋問し、コンピューターや携帯電話を押収するなど、反スパイ法を根拠とした取り締まりを行っており、改正反スパイ法により強力な権限を得た当局による摘発の拡大が懸念される。

 このような状況下で、日本企業や経済団体からは「どうしていいかわからない」「雰囲気の探り合いで、企業同士で活発な議論が行われていない」との声が聞こえてくる。

 また、産経新聞によれば、主な日本企業の対応として、「中国政府関係者との不要な接触は避けるよう、社員に注意喚起している」「現地の法令、規制などを十分に理解し、順守した上で業務に当たるよう周知徹底している」としている企業もあれば、特に対応していないといった企業もあるという。

 では、具体的にどう注意すれば良いのだろうか。