マンション管理 天国と地獄#4Photo:PIXTA

管理状態がマンション価格に反映される時代が到来するかもしれない。国土交通省が進めるマンション管理状況を合否判定する制度と、最大手業界団体のマンション管理業協会による管理格付け制度が4月にスタートしたからだ。業界関係者が普及するとみている新制度で、何が変わるのか。管理組合はどうすべきなのか。高評価を取るにはどうすればいいのか。特集『マンション管理 天国と地獄』(全18回)の#4では、新制度の概要とインパクトを解説。購入者が知っておくべきポイントも開陳。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

管理状態でマンションが優勝劣敗!
購入者&管理組合に影響必至

 あなたは中古マンションを買おうとしている。不動産業者から紹介されたのは隣同士に建ち、同じ時期に建築されたほぼ同じ間取りに同じ眺望、同じ日当たり、販売価格もほぼ同じのマンション2物件。さて、どうやって決めようか。

 従来なら、マンション名やイメージでエイヤと決める以外になかった。というのも、管理や建物の状態、管理組合の財政状況は外から見えにくいからだ。

 本来なら、本特集#3でも取り上げたように、新築時は全く同じ建物でも、その後の管理でマンションの価値は大きく変わるし、それは価格に反映されてしかるべきだ。しかし、管理の詳細な情報が公開されないため、現状ではそうなっていないのだ。

 その状況が、4月から大きく変わる可能性がある。立地や間取りに価格などがメインだったマンション売買情報サイトに、「管理状況」を表す星マークや認定スタンプが付くのも、そう遠くないかもしれない。管理に関する重要な新制度が二つスタートしたからだ。しかも、次ページで詳述するが、幾つかの理由で業界関係者は新制度が普及していくとみている。

 断言するが、これは中古マンションを購入する人たちには極めて朗報だ。管理不全マンションをつかんでしまうリスクから解放されるからだ。さらに、管理に力を入れてきたマンション管理組合が、その成果をきちんと物件価格に反映できる制度でもある。逆を言えば、管理が甘いマンションの資産価値は下がる。

 つまり購入検討者も既に入居している住民も必読なのだ。どうすれば高評価を得られるのか。購入者が知っておくべきポイントとは何か。早速次ページからはその内容を紹介していこう。