また、読み手の思考が促され「このサービスを利用すると、こういうこともできるのか」「これを部屋に置くとすると、生活はこんなふうに変化しそうだ」などとイメージができます。余白があることによって、脳がクリエイティブに働く。これこそが余白の最大の効果であるといえます。
余白を作ることは
日本の美意識に通じる
誤解のないように付け加えると、重要なのは「適度な余白」であり、ただスペースを設ければいいというわけではありません。スカスカで散漫な書き方をしていると、あとで読み返したときにも、焦点がぼやけ、思考が働きにくくなります。余白をつくることが目的になってしまっては本末転倒です。
あくまでも明確な意図のもとに余白をつくる必要があります。自分にとっての「適度な余白」の目安をつかんでおきましょう。
伝統的に、日本人には余白を重んじる独特の美意識があるとされます。書道や絵画などでは、あえて余白をつくることで詩情や余韻が生まれ、目に見えるものの存在感が際立つ効果があります。また、余白は精神的なゆとりや落ち着きをもたらします。
前述の想像力に関連していえば、日本人には「見立て」の美学があります。たとえば、日本庭園には、しばしばこの「見立て」の技法が用いられています。
枯山水では白砂や小石が「水の流れ」に見立てられ、庭全体は宇宙に見立てられているともされます。茶の湯の道具なども景色として見立てられ、それを鑑賞して味わう文化があります。
トップコンサルタントのメモも、こういった見立ての美学につながるものがあります。ぜひ、余白を活用して、クリエイティブなメモづくりにチャレンジしていただきたいと思います。