もしあなたが上司だったら、どちらの日報が「あるべき姿」だと思いますか。
 言うまでもなく、Bさんのものですよね。ところが、私のクライアント企業などでは、残念ながらAさんのパターンがとても多い。
 マネージャーであるあなたが一番知りたいのは、進捗と見込みのはずです。別に何時間かけたかなんて報告してくれなくてもよいのです(そうですよね?)。

 それがきちんとわかっていれば、タスク全体にかかる時間数という数字を新たにつくり、割り算して進捗率を報告する発想になるはずなのです。

 例えば、タスク1は15時間かかるものだと設定すれば、3÷15=0.2 つまりB氏の日報のように進捗率20%と報告できるわけですね。

 このように新たな数字を自らつくり、割り算ができる人を私は「割り算を操る人」と呼んでいます。

だから、「割り算」はビジネス数学の肝なのです

 そろそろまとめに入りましょう。
 皆さんは、今回ご紹介した2人のビジネスパーソンのどちらと一緒に仕事をしたいでしょうか。言うまでもありません。

 割り算が操れない ⇒ ミスリードや失敗をする可能性が高い 
 割り算が操れる  ⇒ 状況を正しく把握し、仕事を進めることができる  

 だから、割り算はビジネス数学の肝になる概念なのです。これは決して誇張ではありません。
 しかしながら現在の日本では、割り算に操られるビジネスパーソンのほうが(私の主観も入りますが)多いように感じます。そんな方たちをトレーニングし、ビジネスシーンで存分に活躍してもらう、それが私の仕事でもあります。

 第4回は、そろそろエンディングということにさせていただきます。
 早いもので、この連載も次回が最終回。ビジネスと数学の関係について総まとめを行ない、皆さんへ最後のメッセージを贈りたいと思っています。
 お読みいただき、ありがとうございました。また、次回お会いしましょう。

(次回は3月11日更新予定です。)


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