1万件を超える「幼児から高校生までの保護者の悩み相談」を受け、4000人以上の小中高校生に勉強を教えてきた教育者・石田勝紀が、子どもを勉強嫌いにしないための『勉強しない子に勉強しなさいと言っても、ぜんぜん勉強しないんですけどの処方箋』を刊行。子どもに失敗してほしくない、教育熱心な人ほど苦悩を抱える大問題への意外な解決法を、子育てを「動物園型」「牧場型」「サバンナ型」にたとえて解説します。
子どもの本来の才能が見えてくる
小さいうちは親の言うことを聞いていた子どもも、思春期を迎える頃から反発心が強まって口答えするようになります。
親の理想というものは、子どもには「ウザい」だけですから、会話が減るのも当たり前です。それを理解せず、子どもを信用できなくなると、信頼関係が揺らぎはじめます。親がうるさく言えば言うほど反抗的な態度をとるようになり、隠れて悪いことをしたり、嘘をついたりすることもあります。
自分を信じてくれない人とは、大人でも距離を置きますよね。そんな人からとやかく言われても聞く耳が持てないのは、親にもわかると思います。「子どもが言うことを聞いてくれない」とイライラするのは親のほうだけです。
親が思いきって手を放せば、子どもも変わる
子どもを説得する方法を探し求めるのではなく、親自身の考え方を変えると、イライラはなくなります。
私はこれまで、親が思いきって手を放したあと、子どもが自主的にやるべきことに取り組みはじめた例を、数えきれないほど見てきました。
親ががんばって、子どもをなんとかしようとしているうちは、ほとんどのことは解決しません。その代わり、目の前の子どもが「今、楽しんでいること」「好きなことややりたいこと」を応援してあげてほしいのです。
親が「理想の子育て」を捨てて子ども目線に立つと、それまで気づかなかった子ども本来の姿が見えてきます。
今この瞬間の子どもとの関係を大事にすれば、感情が落ち着きます。
感情が落ち着くと、子どもへの声かけや態度も冷静になれるものです。
「押してダメなら引いてみろ」という言葉がありますが、子育てにも当てはまります。親が押しつけることをやめれば、子どもは自ら動き出すものです。
*本記事は『勉強しない子に勉強しなさいと言っても、ぜんぜん勉強しないんですけどの処方箋』から、抜粋・構成したものです(次回へ続く)。