ちょこざっぷは
RIZAPの逆張り戦略

 フィットネスのニーズというものは、世の中に確実にあります。仮に中学生の半分が運動部、半分が文化部を選んでいると仮定したら、世の中の半分の人は運動好きです。大人になると運動できる機会が減るのですが、根っこの部分には「中学・高校生のときのように運動したい」というニーズがあります。

 それで、世の中には普通のフィットネスジムがあります。私はコロナ前まではティップネス系列のフィットネスジムの会員でした。料金は1カ月で1万3000円程度。着替えやシャワールーム、ジムやプールに加えて、トレーナーと一緒に行うエクササイズのプログラムが充実しています。これが世の中のフィットネスジムの基本形だとして、説明を始めましょう。

 RIZAPという会社は、このフィットネス業界の別のニーズを見つけることで成長しました。最初に見つけたのがフィットネスに通うユーザーのごく一部が持つ「本当にすてきな体になれるのであれば、もっとお金を支払ってもいい」というニーズです。

 フィットネスに通う大半の人は理想の体形とは程遠いものです。一部のアスリートや筋肉ガチ勢だけが他の人がうらやむような美しい体をしているという世界に、「結果にコミットする」というやり方で、2カ月でだぶついた体を理想の体に作り変える。

 このプログラムは、これまでなかったサービスで、月20万円を支払ってでも入会したいという新たなニーズを掘り起こしました。