最初は、他人に任せた分だけ仕事が遅くなるでしょうし、フォローを含めると大きく時間を取られることになるでしょう。
けれども、こういった我慢の時間を経ることで、部下や後輩は確実に成長し、チーム全体が活気づきます。分野によっては自分よりもはるかに高いスキルを発揮する人が出てくるはずです。
そうやって全員で強みを発揮し、節約した時間をさらに自分のスキルアップに活用していけば、仕事の質はどんどん高まっていくのです。
上司が期待していることに
フォーカスする
上司から指示を受けて仕事に着手する際は、自分の一方的な思い込みで進めるのではなく、上司がその仕事を自分に任せた意図や背景、期待するクオリティといったアウトプットのイメージを必ず確認しておく必要があります。
もちろん「いつまでに仕上げればいいのか」という期日も把握しておきます。時間がかかる場合は、途中報告の期日も設定しておくのが望ましいといえます。
そのうえで、把握したイメージに沿って成果を出していくべきです。これを怠ると労力がムダになり仕事が非効率的になる恐れがあるからです。
たとえば、上司に売上データの報告書作成を頼まれたとしましょう。野心家タイプの部下の場合、自分の能力をアピールする絶好のチャンスと考え、細かい個人別のデータを集めてグラフをつくり込み、10ページ以上の完璧な報告書を仕上げようとするかもしれません。
しかし、上司はそこまで詳細なデータは必要とはしておらず、事業所レベルの大まかな数値を確認したいだけだったとしたらどうでしょう。その場合、細かい報告書を何日もかけた後に受け取るよりも、当日のうちにA4用紙1枚で受け取ったほうが部下に対する印象はいいに違いありません。