2024年度に再び火災保険料が上がる!
保険料の負担を抑えるポイントとは?

 ここからは、保険料の値上げに備えて、少しでも保険料を抑えるために、管理組合として何ができるかを見ていきたい。保険料の負担を軽減するポイントとしては、次のことが考えられる。

(1)契約内容を見直す

 現在の保険の契約内容が、マンションの現況に合っているか確認することも大切だ。たとえば、建物が損害を受け、建て直しや修理、再取得する際に必要な「再調達価格額」の設定が過剰になっていないかなど、保険金額や補償内容を精査し、不要な内容を外していくといいだろう。また、今回は言及していないが、地震保険の内容を見直すことも保険料の削減に効果がある。

 また、保険金はその設定額を限度に、免責金額(自己負担額)を差し引いた金額が支払われるため、免責金額(自己負担額)を上げることで、保険料を安くすることもできる。保険金は、受取額が3万円であっても、あるいは1000万円であっても、保険請求としては同じ1件として扱われる。保険の請求回数が多いと事故の多いマンションと判断され、次の更新時の保険料に影響してしまうので、少額であれば保険を使わずに済ませたほうが得策と考えて、無理のない範囲で免責金額(自己負担額)を設定するといいだろう。

 そのほか、特約を外して保険料を削減する方法もある。ただし、たとえば個人賠償責任保険(包括契約用)を外す場合には、区分所有者の火災保険や個人賠償責任保険への加入状況も無視できず、不用意に外してしまうと問題が生じる可能性もあるので、特約の扱いに関しては慎重に判断したいところだ。

(2)保険期間を最長の5年にする

 マンションの中には、たとえば長期契約をしたくても、予算の都合上、一括でまとまった金額を支払えないという理由から、保険を1年契約にしているところもあるだろう。1年契約のメリットは、毎年保険の契約更新の案内が来るので、それを保険見直しの良い機会と捉えられる点だが、更新手続きを毎年行う必要があり、長期契約よりも1年当たりの保険料が割高になるというデメリットもあるので、マンションの財政状況と相談しつつ、できれば最長の5年契約を選ぶようにしたい。