サウナの入り方に戸惑う初心者から、サウナ慣れしてととのいにくくなってきた熟練サウナーまで! それぞれに合わせた「究極にととのう」ための入り方を、自らもサウナーの医師が解説した書籍「医者が教える 究極にととのう サウナ大全」が発売に! 日常のパフォーマンスをあげ、美と健康をレベルアップする「最高のサウナの入り方」を、世界各国のエビデンスを元に教えます。この連載では本書より、一部を抜粋してご紹介します。
ととのった証として知られる「あまみ」だが……
サウナに入ると、皮膚に赤い斑点が出現することがあり、これをサウナーは「あまみ」とよび、「ととのった証」として知られています。
これは医学用語ではなく、サウナ用語のひとつで、医学的には、動静脈吻合と言います。
通常、動脈から流れる血液は毛細血管を経て静脈につながっていますが、温度の反応性が遅いため、スピーディに体温調節する必要があるサウナ室や水風呂では通常のルートではなく、動脈と静脈が直接つながっている部分を使って時間短縮をします。
動脈と静脈が直接つながっている部分は、交感神経が蛇口のように開けたり閉じたりしてコントロールしており、その結果、動静脈吻合がある部分だけ赤くなり、ない部分は白いまま。皮膚に赤と白のまだら模様ができます。これが、あまみの正体です。
「あまみ」を求めすぎるのは危険!「血管炎」になる例も
あまみが出るのは、交感神経がきちんと働いている証なので、喜ばしいことです。でも、あまみを求めてひたすら、サウナに入る人がいますが、それはやめたほうがいいです。
やりすぎると、血管炎になります。
強烈な温冷刺激によって毛細血管が破綻すると、血液が血管外に漏れ、紫斑になってしばらく消えなくなってしまうのです。あまみではなく血管炎ができていたら、体に過剰な負担がかかっているという危険信号です(*Japanese Journal of Sauna,2021 vol.1.より)。
「あまみ」か「血管炎」か?危険信号の見分け方
ちなみに、「あまみ」なのか「血管炎」なのかの簡単な見分け方を書いておきましょう。
【血管炎】
・赤い斑点
・数日間消えない
→体に負担がかかっているサイン
【あまみ】
・まだら模様(リング型であることが多い)
・すぐに消える
→交感神経が活性化しているサイン
*本記事は、「医者が教える 究極にととのうサウナ大全」から抜粋・編集したものです。