コツコツと業績を伸ばしてきた経営者が直面する「売上の壁」。
特に、年間の売上高が2億円から3億円のレベルに達すると、そこでピタッと成長が止まってしまう経営者が多いという。
そんなときに参考になるのが、【発売から18年、2万人以上の経営者に支持されるバイブル】として、待望の新装版が発売された『新装版 売上2億円の会社を10億円にする方法』だ。
本稿では、上場経験のある経営者から熱烈な推薦を受けている本書の中から、「なぜ、経営者は伸び悩んでしまうのか」を一部抜粋して紹介する。
「自分の右腕」レベルを採用するのは、ほぼ無理
経営上の課題というのは多かれ少なかれ、他の要素とリンクしていますから、一概に「これだけが問題です」と抜き出しにくい。そういう意味では、2億円で止まってしまう企業が内包しているマネジメントの問題は、マーケティングの問題と表裏一体です。
その中でも一番の問題となるのは、やはり人。2億円止まりの企業が抱えるマネジメントの課題は、そのほとんどが人の問題です。その規模までは実質的には個人事業主ですから、社員のことはあまり問題にはなっていないのですが、いざ2億円を超えての成長を目指そうとしたときに、最初にぶつかる課題です。そして成長し続ける過程において必ず社員数は増えていきますから、経営を続ける限りいつまでも悩まされる問題でもあるわけです。
特に「採用」は非常に大きな悩み。「いい人材が欲しい」は古今東西すべての経営者の口癖ですが、実際にいい人材を獲得できるケースはまれ。99%の経営者が採用については失敗を続けているのが現実ではないでしょうか。
加えて、どうしたら本当にいい人材が採れるのかを教えてくれる先生も見つからない。手探りの状態で、恐る恐る採用活動を行っている……そんな企業が多いと思います。
私の支援先でも、採用に関しては年中相談を受けます。よくあるのは「自分の右腕になってくれるような人材を雇いたいと思っているんですよ……」というもの。
ハッキリ申し上げてしまいますが、それは無理な相談。もしそんな人がやって来たら相当にラッキーで、宝くじならもう間違いなく1等賞。社長の右腕となるくらいの実力を持った人材をおいそれと獲得できるほど世の中は甘くありません。
採用マーケットには「自分の10%~30%」人材しかいない
社長の右腕になるほどの人材は、あなたの会社には応募してきてはくれません。採用マーケットから見れば会社も商品です。自社という商品が仕事を探している人に魅力的でなければ、30%どころか10%にも満たない、それこそ箸にも棒にも掛からない人が面接にやって来るのです。
この現実を知らずして採用活動を行っている企業ばかり。理想と現実との間には必ずギャップがあるものですが、ここまで大きいと埋まりようもない感じです。
よしんば、そんな優秀な人材が応募してきたとしても……人間は自分以上に能力のある人を雇えません。これには心理学的な理由があるのでしょうけれども、経験則でもそうです。いざ目の前に自分と同等あるいはそれ以上の能力を持った応募者がいたなら、NGを出してしまうでしょう。それなのに、「人がいない……」と悩んでいるのですから人間とは面白いものです。
まずは現実の人材市場を知る、そして感情の動物・人間が持つジレンマを認識してください。
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ここに紹介したことのほか、『新装版 売上2億円の会社を10億円にする方法』では、経営者が企業の成長のために考えるべき「設計図」とは何かをコンパクトに紹介しています。