世の中には、よく当てこすりや嫌味を口にする人がいます。

 たとえば、職場で何かミスが起きたときなどに、部下に対して、「君たちのミスのせいじゃないけれど、あれがなければ、すべてがうまくいっていたのにな」とチクチク攻撃する上司を見受けます。

 そこには部下への感謝の気持ちなどかけらもありません。

 本当は「俺は悪くない。全部お前たちのせいだ」と、部下たちに責任を押しつけてしまいたいのですが、さすがにそれではあからさまなので、嫌味をいってウサを晴らしているのです。まさに感謝力のない人から発せられる言葉です。

 でも、そんな悪意は隠そうとしても、相手に伝わってしまいます。そしてその結果、最終的には敵だと判断され、信頼を失い、評価を失い、孤立していくことになってしまいます。

 コンサルタントの中島孝志さんは、

「職場とかで嫌いな人はいてもいいが、敵にはしちゃいけない。また、敵にしないためには礼儀や感謝が大事であり、ありがとうとか、申し訳なかったと、しっかり言葉にしておけば、敵をつくらなくてすむ」

 といっています。

 まさにそのとおりだと思います。礼儀や感謝は、さまざまな場面でうまくやるための必須スキルなのです。