病気やケガをして医療機関を受診したとき、患者はかかった医療費の一部を負担することになっている。医療費の自己負担割合は、年齢や所得に応じて決められており、子どもの場合は、未就学児(7歳になる年の3月まで)は2割、小学校1年生以上は3割だ。

 ただし、子どもの医療費については、現在、すべての自治体が助成制度を設けている。本来なら、親などの養育者が支払う医療費の自己負担分を、公費で負担してくれる制度で、子どもが一定の年齢になるまでは、無料、または少ない負担で医療を受けられる。

公的医療保険ではなく
各自治体が補助を行う子ども医療費助成

 子どもの医療費助成制度は、国が法律で定めた公的な医療保険(健康保険)とは異なり、それぞれの自治体が独自に行う地方単独事業だ(新潟県は交付金)。そのため、財政状況や人口規模などの地域の実情によって助成内容は大きく異なっている。

 名称も地域によって異なり、「乳幼児医療費助成制度(マル乳)」「子ども医療費助成制度(マル子)」「医療福祉費助成制度(マル福)」などと呼ばれている。

 だが、いずれの市区町村でも、子どもの医療費助成制度を利用するために必要になるのが「医療証(受給者証)」だ。

 まず、子どもが生まれると、出生届の提出と併せて、健康保険の加入手続きを行う。子どもは、親などの養育者の健康保険に加入することになっており、親が自営業やフリーランスなどで、国民健康保険に加入している場合は、市区町村の窓口で手続きを行う。養育者が会社員や公務員などで、被用者保険(健康保険)に加入している人は、勤務先の担当部署だ。

 そして、発行してもらった子どもの被保険者証(健康保険証)を持って、市区町村の窓口で子どもの医療費助成制度の手続きを行うと、医療証が発行されるという流れだ。