旅先でかかった子どもの医療費は
帰宅後に忘れずに還付請求を
前述のように、子どもの医療費助成制度は、自治体が独自に行っている事業で、都道府県が制度の大枠を決め、市区町村で実施している。医療証が通用するのは、住所地のある都道府県内だけだ。他県の医療機関では医療証を見せても、その患者の情報が確認できない。
そのため、帰省先や旅行先などで子どもが病気やケガをして、住所地以外の都道府県の医療機関を利用した場合は、医療証を見せても制度を利用することはできないのだ。子どもが県外の医療機関を利用した場合、窓口では大人と同じように健康保険のみの利用となり、、いったん2~3割の自己負担分を支払うことになる。
ただし、その場で医療証が使えないだけで、県外の医療機関を受診した場合も助成の対象だ。還付請求すれば、自己負担したお金を取り戻すことができる。
子どもの医療費助成の還付を受けるためには、市区町村に備え付けられている、子どもの医療費助成制度の還付申請書に必要事項を記入し、病院や診療所でもらった医療費の領収書や明細書を添付して申請する。手続きに問題がなければ、2~3カ月後に指定した銀行口座に還付金が振りこまれる。
旅先だけではなく、住所地のある都道府県の医療機関でも、医療証を持たずに受診した場合は還付申請が必要になる。
日常的に医療機関を受診するのとは勝手が異なり、旅先でかかった子どもの医療費の助成を受けるためには、還付請求が必要になる。手間はかかるが、申請すれば、お金を取り戻すことはできるので、面倒くさがらずに忘れずに手続きをしよう。
子どもの医療費助成の払い戻しを受けられるのは、医療機関を受診した日の翌日から5年以内だ。時間がたつと手続きするのを忘れてしまうので、旅行から帰ってきたら早めに手続きをしておきたい。