イライラして眠れない、ストレスがたまりがちな人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。著者は著書累計55万部を突破している人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏。最新作の本書では、心理学的なアプローチによって、不安や不満などの不快な感情を消し、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。眠れるようになるだけでなく、ストレスを根本から消してくれる「不思議な催眠効果」がある1冊だ。「2ページ読んだだけで眠れた」「ストレスが消えた」「自己肯定感が高まった」などの感想が多数寄せられている。今回は発売を記念して、本書から特別に一部抜粋、再編集して紹介する。

思い出したくないのに、繰り返し嫌なことを考えてしまう…その驚きの理由とは?Photo: Adobe Stock

「抜けている記憶」を探している!?

人は記憶が曖昧だと不安になります。

たとえば、人間関係で嫌なことがあり、寝ようと思ったときにその嫌なシーンを思い出すのは、意外と肝心なことが記憶からすっぽりと抜けているからです。

上司に怒られてものすごく不快な気分になっていたとしても、「嫌味を言われてムカついたけど、よいアドバイスもくれていたな」など、肝心なことを思い出せれば、まったくクヨクヨ考える必要がない場合もあるのです。

同じことをくり返し考えてしまって眠れないのは、この「抜けている記憶」を探していて見つからない、ということでもあります。

そこでこの不安感を消し去るために、記憶力を上げていきます。

記憶力をアップさせる「愛に満たされて眠る方法」

思い出したくないのに、繰り返し嫌なことを考えてしまう…その驚きの理由とは?Photo: Adobe Stock

ここで紹介する「愛に満たされて眠る方法」は一見、記憶力に関係ないと思われるかもしれませんが、ぜひ試してみてください。

布団に入ったら、今日、口にした食べものを朝から順番に思い出します。ひとつずつ思い浮かべたら、「愛されている」と頭の中で唱えていきます。

「愛されている」というコマンドが記憶を定着させてくれるのです。

朝食のお茶碗に盛られたご飯が浮かんだら「愛されている」、お茶碗の隣のナスの味噌汁が浮かんだら、「愛されている」とひとつずつ記憶に定着させていきます。

お昼のお弁当に入っていた鯖の塩焼きを思い出したら「愛されている」と唱えて、さらにご飯にのっている梅干しを食べたことを思い出して「愛されている」と唱えてみます。

このように食べたものを記憶に定着させていくと、その間に起こった出来事の記憶も適切に整っていきます。

記憶が適切に整っていくと脳の興奮がいつの間にか収まり、やがて穏やかな眠りの中に入っていきます。

自信のなさは性格の問題ではない

この訓練を毎晩くり返していくと、眠りによって適切に記憶が整理されるようになるからなのか、起きているときの記憶力も気がつかないうちにアップしていきます。

記憶力がアップしてくると、不思議と頭の中でよけいなことを考えなくなっていき、頭の中が静かになります。

そう、嫌なことをグルグル考えてしまうのは記憶力がいいからだ、と思っていたのが、実際に記憶力が上がってみると「記憶が抜けていたから同じことをいつまでも考え続けていたんだ」ということがわかってきます。

この「愛に満たされて眠る方法」を使って眠るようになると、記憶がどんどん整っていき、本来の自信に満ちあふれている自分に戻っていくことができます。

そして、自尊心の低さや自信のなさは、自分の性格のせいではなく、「ただ記憶が欠けていただけ」ということに気づくのです。

(*本稿は『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』より一部抜粋、再編集したものです)