サウナの入り方に戸惑う初心者から、サウナ慣れしてととのいにくくなってきた熟練サウナーまで! それぞれに合わせた「究極にととのう」ための入り方を、自らもサウナーの医師が解説した書籍「医者が教える 究極にととのう サウナ大全」が発売に!日常のパフォーマンスをあげ、美と健康をレベルアップする「最高のサウナの入り方」を、世界各国のエビデンスを元に教えます。この連載では本書より、一部を抜粋してご紹介します。

美容の大敵「むくみ」に効果絶大なサウナの入り方とは?photo:Adobe Stock

スチームサウナの片隅にある「塩」の効果

 スチームサウナの片隅に塩が置いてあることがあります。「別にいいや」と思って塩を使っていないとしたら、けっこうもったいないですよ。
意外とすごい「塩サウナ」の効果を紹介します。

効果1:むくみが取れる

1▶むくみの原因
人体の約60%は水分でできていて、そのうち3分の2は細胞の中にあり、残りは血液の中と、細胞と細胞の間を満たしている体液(間質液)の中にあります。間質液は、細胞や血液の中を行き来して水分のバランスを保っているのですが、何らかの原因でこのバランスが崩れて、間質液の中に水分が異常に増えると体がむくみます。

原因のひとつとして挙げられるのが塩分の過剰摂取です。体は、体内の塩分濃度を一定に保とうとするため、塩分を過剰に摂取すると体内に水分を溜め込んで塩分濃度を薄めようとします。すると、間質液に水分が溜まり、むくんでしまうのです。

2▶塩を塗り込むと汗がたくさん出る
塩を体に塗ると浸透圧(濃度が薄いものから濃度が濃いものに溶媒が移っていくときの圧力)によって、体内から汗が引っ張られます(皮膚表面のほうが塩分濃度が濃いから)。発汗が促されることで、むくみを解消しやすくなります。

効果2:肌がつるつるになる

塩の効果はむくみ解消ばかりではありません。塩サウナで塩を肌に塗り込むと、肌がつるつるになります。それはなぜでしょうか。「ザラザラしたもので肌を磨いているから、皮脂が取れてつるつるになるのかな」と思った人もいるかもしれませんが、そうではありません。

答えはむしろ逆。塩サウナで肌がつるつるになる本当の理由は、「新しい皮脂によってコーティングされるから」です。

メカニズムはこうです。

①塩を体に塗ると浸透圧によって汗がたくさん引っ張られる
② それに加えて、サウナの熱によって交感神経が活性化され、交感神経が支配している「アポクリン腺」が刺激される
③アポクリン腺から出た汗が、じわじわと新しい皮脂を作り出す

塩を塗ったらすぐに洗い流さず、5分程度待つ

むくみを取ったり、肌をつるつるにしたりするためには、浸透圧によって汗をたくさん引っ張り出す必要があります。すぐに洗い流すと汗の量が減ってしまうので、5分程度(皮膚表面の塩が汗で溶けるまで)は待ちましょう。

*本記事は、「医者が教える 究極にととのうサウナ大全」から抜粋・編集したものです。