今、「学校に行かない子どもたち」が、とても増えています。小・中学校の長期欠席者は41万人(うち不登校が24万5000人・令和3年度)にのぼり、過去最高を更新しています。本連載では、20年にわたり、学校の外から教育支援を続け、コロナ禍以降はメタバースを活用した不登校支援も注目される認定NPO法人「カタリバ」の代表理事、今村久美氏の初著書「NPOカタリバがみんなと作った 不登校ー親子のための教科書」から、不登校を理解し、子どもたちに伴走するためのヒントを、ピックアップしてご紹介していきます。今回と次回は、医療機関を利用する際に考えておくべき点に関する記事を抜粋します。
身体症状が出たら、何科にかかればいいの?
中学生までのお子さんであれば、基本的には小児科を受診するのが一般的です。
身体的な症状だけでなく、心理的な要因も強く関連していると思われる時は、「子どものこころ専門医機構」で認定されている「子どものこころ専門医」が在籍している小児科も選択肢になるでしょう。
近隣のどの小児科に専門医がいるのか、把握しておくといざという時、安心です。
多くの小児科は18歳まで診察できますが、高校生だったら一般内科のほうが適切な場合もあるでしょう。
また、思春期にさしかかっているお子さんに精神症状や心理的問題が見られる場合は、思春期・青年期に対応できる精神科がよいと思われます。
ちなみに心療内科には、精神科医が在籍している場合と心療内科医(心身医学を基礎理論とする専門医)が在籍している場合があります。対応可能な問題や治療法が変わる場合がありますので、事前に問い合わせてもよいと思います。
体と心、どちらからアプローチする?
体と心の問題は互いに関連しているので、心身の両方が不調である場合、どちらからアプローチすべきなのかという正解はありません。
本人がなんとかしたい側面、もしくは、本人が「こちらからなら触れられてもいい」と思える側面からアプローチしていくといった配慮が求められます。
(カタリバ・アドバイザー 成田慶一 Ph.D/臨床心理士/公認心理師)
*本記事は、「NPOカタリバがみんなと作った 不登校ー親子のための教科書」から抜粋・編集したものです。