解決策のない
苦しみとの向き合い方

 でも唯一、うれしかったのは、残った家族が、泣いてくれたことだった。一緒に絶望してくれ、立ち直らなくてもいいから、好きなだけ泣く時間をわたしにくれた人たちの存在が、本当にありがたかった。

 わたしの場合、絶望はゆっくり長い時間をかけて向き合い、忘れることでしか、なくならなかった。バケツになみなみたまった水が、蒸発するのを待つように、気が遠くなる時間がかかった。

 絶望は、他人の応援の言葉で、めったになくなるものではない。

 だから「何かしてあげたいけど、何をしたらいいかわからない」ならば、焦りはぐっとこらえてほしい。友人の話を聞いて、事実を受け入れる。もし、その友人と同じように悲しく思ったのなら、素直にその気持ちを伝えてほしい。

 ただ、それだけでいいのだと思う。それができないなら、無理に言葉をかけずとも、じっと待つだけでもいい。「つらくなったらいつでも話を聞くよ」「ひとりじゃないよ」ということが、言葉でも、態度でも、伝われば、ただそれだけで。

 でも、なんであれ、何か力になりたいと思うあなたの気持ちは、その愛は、ものすごく尊くて、あなたのような人に、わたしも毎日を生かされている。

 いつもありがとう。

 これが正解かはわたしもわからないけれど、とにかく、ありがとう。