【総フォロワー数25万人!】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。

【要注意】試験に落ちた子にかける言葉Photo: Adobe Stock

思い出すたびに温かい気持ちになる

これは、現在20代の男性・Yさんに聞いたお話です。
Yさんは子どものころ、習字の試験に落ちたことがあったそうです。

そのとき一緒に受けた友だちが何人かいたのですが、Yさん以外はみんな受かって自分だけ落ちました。
そういう体験は生まれて初めてだったので、すごくがっかりして家に帰りました。

試験に落ちたことを知ったお母さんは「練習しないからでしょ」とひと言。でも、お父さんはこう言ってくれました。

「そうか、つらいなあ。お父さんも試験にたくさん落ちたよ。水泳の試験に落ち、英検の試験に落ち、大学入試も4連敗した。就職試験もいっぱい落ちた」
Yさんはずいぶん気持ちが軽くなったのを覚えているそうです。

そして、Yさんがこの体験から得たのは、「もし誰かが何かで落ち込んでいたら、自分もこういうふうに言ってあげたい」ということでした。
そして、今でもこのときのお父さんの言葉を思い出すたびに温かい気持ちになるそうです。

大人が思う以上にショックを感じている

私も子どもの頃Yさんと同じような経験があります。そろばんの試験に落ちたのです。

そろばんを始めたばかりの頃は試験が簡単で、ずっと合格できていたのですが、だんだん難しくなってきて、あるとき試験に落ちたのです。

試験に落ちるなどということは生まれて初めてだったので、ものすごくショックを受けました。
そのとき雨の中をとぼとぼ歩いていた自分のことを今でも思い出します。
こういうことは、子どもにとって忘れられないことだと思います。

私の場合は、そのとき親がどういう反応だったか覚えていないのですが、とにかく試験に落ちたことが大ショックでした。自分が完全に否定されたよう感じたのだと思います。

大人はすでにいろいろなことを経験して、ちょっと試験に落ちたくらいでは、ダメージは少ないかもしれません。
でも、子どもにとってはそれが生まれて初めてだったりするので、大人が思う以上にショックを感じている可能性があります。

試験に落ちる以外にも、「模擬試験の結果が悪かった」「試合に負けた」「選手や何かの役に選ばれなかった」などにおいてもそういうことはありえます。

くり返しますが、大人が思う以上に大きなショックを受けている可能性があるということをつねに頭に入れておいてほしいと思います。
うっかり子どもの心の傷口に塩を塗るような対応をしないで、気持ちに寄り添って、共感的な対応をしてあげてほしいと思います。

◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。(次回へ続く)