③インボイスに登録(原則課税を選んだ場合)

 インボイスに登録し、かつ、納める消費税を売上と仕入・経費から計算する場合(原則課税)は、先ほどご説明した②に加え、次のような手間が考えられます。

・こちらで受け取る請求書やレシートなどがインボイスのルールに沿っているか(登録番号があるかどうかをはじめとして)チェックする。もし、不備があれば、調べたり連絡したりする必要がある。

・請求書、レシートなどを金額でチェックする必要がある(1万円未満は請求書等が不要、インボイスが免除されるケースがある→その場合、会計ソフトにも特別な入力が必要)

・仕入明細書、支払明細書を発行する場合、仕入先・支払先からインボイスの登録番号を聞く必要がある

・契約書によって支払っている場合は、契約書にない事項を問い合わせなければいけない

 もし、簡易課税や2割特例を選べる場合であれば、上記の負担も考慮しましょう。

④本来免税だけど、インボイスに登録

 本来は、免税(2期前の課税売上高が1000万円以下)でも、インボイスに登録すると、消費税を納める必要があります。その場合、

・消費税に関して、会計ソフトへ入力・確認する手間
・消費税の確定申告をつくり、提出する手間
・納税の手間

 こうした手間が増えます。

 そして、簡易課税または2割特例を選んだ場合は、前述の②の手間がかかり、原則課税を選ぶ場合は③の手間がかかります。

(本原稿は井ノ上陽一著『【インボイス対応版】ひとり社長の経理の基本』から一部抜粋、追加加筆したものです)