このSDKによって、ディディのアプリがユーザーには見えない形でさまざまなアプリに埋め込まれているので、自然とディディへの流入が増え、収益が上がる仕組みになっています。
また、SDK連携によってチャネルが増えるだけでなく、それぞれのアプリとの組み合わせによって独自の販売プランをユーザーに提案することができます。
たとえば、メイトゥアンのようなグルメアプリの中からディディのアプリを開くと、レストランの予約とタクシーの配車をワンストップで完結できます。すると、ユーザーとしては利便性が高まります。また、サービスを提供する側としてもレストランとタクシーをワンパッケージとして販売することができるので、それぞれを単体で販売するより多くのニーズを喚起し、利益を上げやすくなるのです。
さらにディディでは、このSDKのインターフェースを提供しながら、非競合関係にある企業との戦略的なパートナーシップを拡大しています。例を挙げると、TikTokとのパートナーシップにおいては、TikTokでタクシーアプリを開いたユーザーに対して、年齢層や属性に応じた広告を出したり、割引のプロモーションをかけることができます。
さまざまなアプリとディディが掛け合わさることで、プロモーションの幅が広がり、多くの需要を呼び込むことができます。まさに、SDKを通じた多様なパートナーシップが、ディディをMaaSの最先端企業にしているのです。
他サービスとのパッケージングによる「究極のダイナミック・プライシング」
このディディの、SDKによるパートナーシップによって、たんなるダイナミック・プライシングの概念を超えた「究極のダイナミック・プライシング」が実現しています。
SDK連携するアプリが増えることで、ユーザーとしてはタクシー単体での利用にくらべて「映画・レストラン・タクシー・ホテル」などといったパッケージでの購入が増えます。このパッケージ価格は、サービス単体より高付加価値なので価格が上げやすくなります。
このレストランと駐車場でいくら、実質駐車料金無料でレストランも10%オフ、のように抱き合わせたパッケージングが行われます。そのパッケージは、AI解析によってユーザーごとに生成されます。