経済的に恵まれない母子家庭に育ち、高校・大学は奨学金を借りて卒業。そのため、1000万円に迫る“奨学金という名の借金”を背負うことになった。そこで、郷里に母を残して上京、東京国税局の国税専門官となった。配属を希望したのは、相続税調査部門。「どうすればお金に悩まされずに済むのだろう?」と考え「富裕層のことを知れば、なにかしらの答えを得られるのではないか?」と思い至ったからだった。国税職員のなかでも富裕層が相手となる相続税を担当するのは、たった1割ほど。情報が表に出てくることはほとんどない。10年ほど携わった相続税調査で、日本トップクラスの“富裕層のリアル”に触れた『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)の著者が、富裕層に学んだ一生お金に困らない29の習慣を初公開する!
※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【元国税専門官が明かす】3カ月で元本の8割を失った“危険な金融商品”Photo: Adobe Stock

証券会社の危険な囁き

【前回】からの続き 証券会社がすすめる金融商品のなかには、一般の人が理解できないものもあり、意図せず大きな損を被るリスクがあります。

富裕層に対して、「ここだけ」「あなただけ」といったセールストークで高額投資をもちかける人は少なくありません。

私がよく覚えているのは、「仕組債」と呼ばれる特殊な金融商品に投資をして、数百万円単位、ときには1000万円を超える損をしている人が多くいたことです。

「仕組債」にはご用心

仕組債とは、デリバティブ取引を組み入れた金融商品であり、高利回りをうたって販売されています。

株価や金利、為替などのメカニズムをとり入れた特殊なもので、非常に複雑です。

こうした金融商品は、一般的な債券などよりも高利回りをうたっているので、一見すると魅力的です。しかし、大きく値下がりする危険性を秘めているのです。

元本の8割を失った投資家

金融庁の「第1回 金融審議会 顧客本位タスクフォース」の資料では、2019年に販売された仕組債において、3か月で元本の8割を失った投資家がいたことが明らかになっています。

短期投資をしたり、よくわからない金融商品に投資をしたりすると、せっかく築いた財産を失ってしまいかねません。

そのようなことのないように、基本的に自分の頭で考え、しくみを理解できる金融商品に投資をすることが大切です。【次回に続く】

※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。