頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人たちに話題となっているのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。「ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書 TOPPOINT大賞2023上半期ベスト10冊」に選抜された本だ。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書でもある。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。コンサル→ファンド→27歳アンカー・ジャパン入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。
自分が好かれるより
企業と社員の成長を優先
ときどき仕事を90%の完成度で上司に提出する人がいる。
残りの10%は上司とのやりとりで埋め、100%にすればいいと考えてしまうのだろう。
だが、その人本来の力は発揮されていない。
無意識のうちに手加減してしまっているのかもしれない。
そんなときは、
「このアウトプットはあなたの能力を100%発揮していないのでやり直してほしい」
と率直に話すようにしている。
やり直しを指示されたら誰しもつらい気持ちになる。
だが、こうしたフィードバックをすることがメンバーの成長につながる。
誰にでも好かれるのは無理である。
立場が上がれば非情な決断も必要であり、自分が好かれるより企業と社員の成長のほうが大事だ。
メンバーが増えれば嫌われる勇気も必要であり、馴れ合いでは成長は止まる。
企業が停滞してしまう本当の理由
本来実力がある企業なのに、業績が停滞してしまっている場合がある。
これは実力の7割程度のアウトプットで「よし」とする風潮が起因していると思う。
上司はメンバーの仕事が7割の出来だと気づきながら許容し、自分の仕事も7割の出来で上に提出する。
7割が重なったものがアウトプットされており、7割×7割×7割……とどんどん劣化していく。
人間はラクをしたがる生き物だ。
会社組織の中では上に行くほど頭を使うことに疲れ、なるべくラクをするようになる。
そうした上司の態度は、組織全体に文化として広がってしまう。
管理職や経営陣こそ、限界まで頭をひねり、最後の1%にこだわるべきだ。
(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)