頑張ったが一歩足りない
再発防止チームの報告
さる8月29日、ジャニーズ再発防止特別チームが予想外ともいえる厳しい報告を出しました。1970年代から2010年代まで長期間にわたり、ジャニー喜多川氏の性加害が認定され、謝罪と補償、そして藤島ジュリー景子社長に辞任を求めるものでした。またマスコミにも責任があるとして、反省を求めています。当初「お飾り」といわれていただけに、チームはよく頑張ったと思います。しかし、永年ジャニーズと戦い、パージを受けていた梨元さんと私なら、たぶんそこに大きな欠陥が存在することに警告を出すでしょう。
この報告は国内では認められるでしょう。しかし、もともとはBBCが火をつけ、「日本のme too運動」としてとりあげたものです。確かに性被害者は名乗り出ました。しかし、所属の有力タレントは一人として声をあげていません。このことを重く受け止め、さらなる事態の解明を目指すべきでしょう。
実は私の週刊誌デビュー作であり、小さなスクープだった記事は、梨元さんのアドバイスの賜物でした。
週刊誌記者は、まずは「アシ」といわれる取材だけをして、その結果を取材原稿といわれるデータにして、書き手に報告することからスタートし、その結果次第で書き手に抜擢されます。入社2年目の9月に週刊誌に配属され、数カ月。新年の合併号で、初めて自分自身で記事を書くチャンスがまわってきました。
しかし、この数カ月、事件取材ばかりやっていた私には、正直ボーゼンとするテーマが下命されたのです。時期は1980年の年末発売号。「1985年のナンバーワンは誰だ」というのが総特集のテーマであり、私に割り振られたのは「1985年の女優ナンバー1は誰だ」というテーマだったのです。
正直、芸能界のニューソースなど誰も知りません。思いあぐねて、編集部とも親しい梨元さんに取材を申し込みました。「新人?」と聞いた彼は、真剣にいろいろな切り口を考えてくれました。そして、出たアイデアが「木俣さん、女優27歳絶頂期説というのがあるんですよ。女優さんは若すぎても演技が未熟だし、あまり年齢がいくと、今度はルックスが衰えてしまう。だから、1985年に27歳になる女優さんで、今有望な人を選んでみればいいんじゃないの?」というアドバイスでした。