スマホながら運転で
人命を奪った事件も

 スマホのながら運転を巡っては17年12月、川崎市麻生区で元女子大生(当時20、事故後に中退、重過失致死罪で起訴)が電動アシスト自転車で歩行中の女性(当時77)にぶつかり、脳挫傷(ざしょう)で死亡させた事故があった。

 18年8月の横浜地裁川崎支部の判決は、元女子大生が事故前の少なくとも33秒間、イヤホンで音楽を聴きながら飲み物を持った右手でハンドルを握り、左手でスマホを操作しながら走行。友人にLINEでメッセージを送った後、ズボンのポケットにしまう動作に気を取られて事故を起こしたと認定した。

 18年6月には茨城県つくば市で男子大学生(当時19)がスマホを操作しながら自転車を運転し、歩行者の男性(当時62)をはねて脳幹出血で死亡させる事故があった(大学生は重過失致死容疑で家裁送致後、保護観察処分)。

 ほかにも兵庫県伊丹市で19年6月、女子高生(当時17)が通学路の見守り活動をしていた男性(当時77)を自転車ではねて外傷性くも膜下出血の重傷を負わせるなど、重大事故が相次いでいる。

 警察庁はスマホのながら運転による事故が増えている理由として、SNSやゲームの普及があると分析。自動車は19年12月の改正道交法で懲役刑が追加されるなど罰則が強化され、翌年のながら運転が原因の事故は半数近く減少したため、自転車でも同様の効果を期待しているようだ。