経済的な自由があると、さまざまなことに対してリスクを取ることができます。チャレンジしたいことがあっても会社を辞められない人や、リスキリングによって違うスキルを身に付けて新しいことに踏み出したいのにそれができない人には、リスクを取りきれない理由があります。その多くは、いざ何か起きたときに生活していけないのではないかという不安によるものです。
この不安を解消するには、1、2年は何かがあっても生きていける経済力を持つことが大切です。自分のスキルに自信を持つことももちろん必要ですが、お金を持っていることによる経済的な自由があることも大事なのです。
私が投資をする理由の2つ目は、投資によって社会に貢献できるからです。応援したい会社を投資によって応援することができ、その会社のオーナーになったような気分を味わえます。
3つ目の理由は投資から社会を学ぶことができ、本業に生かすことができるから。これが今回、皆さんにお伝えしたかったことの核心にあたります。
自分が知識を持つ会社の株を
買うようになって成功し始める
私が初めて株式を持ったのは、マイクロソフトに入社したときのことです。現在のマイクロソフトはストックオプションを発行していませんが、当時は社員の一部にストックオプションが付与されていました。また社員持ち株の制度もあり、給料の何割かを市場より多少低い価格で自社株購入に充てることができました。日本では「株によって所得・収入が増える」という経験は一般的ではないと思いますが、ストックオプションや持ち株制度は、会社へコミットした社員に対する報酬として適切なものだと改めて感じます。
個人で株取引を始めたのは、2002年か2003年ごろのことです。このときはほとんど勉強せずに、面白そうだと思った日本株を博打のような感覚で買い、うまくいったものもあれば失敗したものもある状況でした。
一番失敗したのは、モバイル関連事業やコンテンツ事業を手がけていたインデックスという会社の株です。この会社はいったん株価が上がったものの、最終的に上場廃止になるのですが、私は株式が紙切れになる直前まで保有してしまっていました。