パルヴァン・コリ通りへ戻り、左右に建ち並ぶメドレセを見ながら、高さ42mのミナレットが目印のジュマ・モスクへ。ここの目玉は、何といってもモスク内部に立つ213本の木の柱。他のモスクではなかなか見られない珍しい構造で、まるで鬱蒼とした森林のような独特の雰囲気を醸し出しています。

 柱は1本1本緻密な彫刻が施されているので、ぜひ観察してみてください。最も古い柱は10~11世紀に彫られたとのこと。この木彫り細工こそがヒヴァの伝統工芸で、現在でもお土産屋さんではよく木工製品が売られています。なぜ砂漠の町のヒヴァで木彫り細工が発達したのか?とサマルカンドで働く知人の木彫り職人に聞いてみたところ、かつてヒヴァの近くでは木彫り製品の原料となるニレの木がよく取れていたとのこと。現在この木はあまり取れなくなってしまったそうですが、それでも多くの木彫り職人が今もヒヴァで活躍しているそうです。

ウズベキスタン初の世界遺産「ヒヴァ」観光モデルプラン紹介!イスラム建築&グルメを満喫あまりの美しさに呆然としてしまうジュマ・モスク内部の柱の彫刻

 朝から観光していると、このあたりでちょうどお昼になるはず。イチャン・カラ内にもレストランは多いのですがやはり国内屈指の観光地だけあって値段はお高め。地元の人々に人気なのが、オタ・ダルヴァザから徒歩10分、ヌルラボイ宮殿近くの幹線道路沿いに並ぶチャイハナ(ローカル食堂)街。どのお店もプロフにシャシリクにと外国人に人気のウズベク料理を揃えていますが、最低一品は何かヒヴァらしい料理を注文してみるのはいかがでしょう。ここホラズム地方はウズベキスタンの中でも独特の文化を持つ地域といわれており、食文化もまた然り。以前タシケントのホラズム料理レストラン特集記事(82.ヒヴァに行かなくても食べられる!摩訶不思議な地方料理ホラズム料理をタシケントで味わおう)でご紹介した通り、他の町では全くお目にかかれない料理が揃っているのです。

 代表的なホラズム料理が、香草を練り込んだ緑色の麺シュヴィト・オシュ(シュヴィット・オシュとも表記)や、卵入り餃子トゥフム・バラク。生肉料理のイッジョンという、ウズベク人でも知る人が少ない上級者向けB級グルメもあります。

ウズベキスタン初の世界遺産「ヒヴァ」観光モデルプラン紹介!イスラム建築&グルメを満喫食堂街の南東、Xiva Kafe Milliy taomlarというお店でいただいたシュヴット・オシ。夜は裏メニュー的扱い(?)で生肉料理イッジョンも出すとのこと

 イチャン・カラに戻って観光を続けましょう。ジュマ・モスクの南、パルヴァン・コリ通りからそれた路地沿いに見逃せないイスラム建築が2つあります。

 1つ目はジュマ・モスク西側、カズイ・カラン・メドレセの角を曲がって歩いていくと左手に現れるパフラヴァン・マフムド廟。霊廟自体は17世紀に建てられましたが、ここに祀られているのは13~14世紀の人物パフラヴァン・マフムド。廟内の案内看板を見るとこの人物は学者兼詩人兼英雄兼毛皮職人だったと書かれており、つまりヒヴァが誇るスーパーマンだったようです。またウズベキスタンの格闘技クラッシュの名手であったともいわれています。