就職活動時間の割合は減少
就職・採用活動の早期化が背景に?

 同プロセス調査では、就職活動期間中の各月の「学業」「就職活動」「プライベート」時間の割合も聞いています。24年卒学生が2~6月中の就職活動にかけた時間の割合は、22年卒、23年卒と年々減少し、いずれの月においても低い数値になりました。

 たとえば、企業の情報解禁となる3月は、22年卒(2021年3月中)の就職活動時間は53.1%、23年卒では51.5%、24年卒では47.8%となっています。6月になると、活動時間自体が減り、22年卒は28.1%、23年卒は24.7%、24年卒は22.5%という結果が出ました。

 この背景には、就職活動の早期化が影響している可能性もあるかもしれません。『就職白書2023』で、企業に24年卒採用の見通しを聞いたところ、内々定・内定出しを「卒業年次前年2月まで」に行うという企業が19.7%あり、23年卒実績の12.2%に比べて高い結果になりました。Web面接や対面面接、内々定・内定出しともに、卒業年次前年2月までに開始すると答えた企業の割合は年々増加傾向にあります。つまり、12月、1月にも学生の就職活動の準備にかける時間が増えている可能性も考えられます。

 選考の早期化傾向はこれからも続くことが予想される一方で、就職活動でのオンラインの活用が定着したことで、学生は学業やプライベートの時間をより確保しやすくなったとも言えるかもしれません。説明会のオンライン視聴は、オンデマンド(動画配信)形式が多く、学生はスケジュールが空いたときを有効活用して情報を得ることができます。時間、場所を選ばず企業研究を進められるようになったことは、オンライン化がもたらした大きなメリットの一つでしょう。

オンライン化がもたらす
学生・企業双方への費用負担の軽減

 各選考プロセスに応じた対面回帰の流れは、今後も広がっていくと考えられます。ただ、選考プロセスのオンライン化は学生のみならず、企業に対してもさまざまなメリットがあります。

 学生視点では、説明会やセミナー、選考へのオンライン参加が選択肢に入ったことで、行動量を担保しながらも出費を抑えられるようになっています。『就職白書』に寄せられた学生の声には、「どの企業も、選考はオンライン中心だったので、住んでいる西日本から東京に毎回行かなくて済み、体力面も費用面も助かりました。20社以上受けられたのも、オンライン中心だからこそでした」(就職白書2022)、「説明会の時間が重なったときは、オンラインで同時視聴したこともあります」(就職白書2023)というものがありました。『2023年卒 就職活動TOPIC』内の調査でも、「移動時間とお金がかからないので、選考を受けるか迷っている企業にも積極的に挑戦することが出来ました」という意見があり、金銭的な不安が軽減されたことで、就職活動を後押ししている側面が読み取れます。