研究チームによると、本研究で超加工食品とうつ病との関連が示されたが、因果関係が証明されたわけではなく、超加工食品がうつ病のリスクを高める正確な仕組みも解明されてはいないという。Chan氏は、うつ病患者がこれらの食品に引き寄せられる可能性にも言及した上で、研究のデザインから、「今回の発見が、うつ病のせいで超加工食品を選択することになった結果だという可能性は低い」と説明している。
超加工食品が関連する
慢性炎症のリスク
さらにChan氏は、「超加工食品は慢性炎症に関連しており、それがうつ病など、多くの潜在的な健康への悪影響につながる」と指摘。超加工食品は腸内細菌叢を乱すことも知られており、「腸内細菌叢は、脳内で活性を示すタンパク質の代謝・産生に関与し、気分に影響を及ぼす」と付け加えている。以上を踏まえ、「できるだけ超加工食品の摂取を制限するように生活習慣を改善すると、特にメンタルヘルスに悩む人にとって重要な利益となる可能性がある」と話している。
今回の研究をレビューした、米セントルイスの栄養コンサルタントで、米国の栄養と食事のアカデミーの元会長であるConnie Diekman氏は、「特に女性では、栄養に限らず、ホルモン、家庭と仕事の両立、経済状況など、さまざまな要因がうつ病に関与している」と解説。食生活がメンタルヘルスに影響する可能性は高いが、超加工食品や人工甘味料の特有の役割を判断するのは難しいという。
また、「これまでの研究では、一つの食品が健康全体に与える影響を解明するまでには至っていない。まずは、栄養素の必要量を満たすことを優先すると良い」と助言している。(HealthDay News 2023年9月21日)
https://consumer.healthday.com/depression-2665590185.html
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