ただし、このデータを見るには注意が必要だ。
ここでは、市場為替レートでドルに換算しているのではなく、購買力平価で換算している。これは、世界的な一物一価が成立する為替レートだ。2021年には、1ドル=100.412円と、1ドル=847.457ウォンだ。他方、市場レートは1ドル=109.754円と、1ドル=1143.958ウォンだ。
したがって、市場レートで見れば、日本は上記の値を0.915倍して3万6335ドルであり、韓国は0.741倍して3万1675ドルだ。だから、まだ日本の方が高い。
国際的地位の低下は、低い成長率と円安による
日本の一人当たりGDPが台湾や韓国に追いつかれたのは、2つの理由による。
第1は、円安だ。2013年から14年、そして2022年に日本の相対的地位が急速に低下したのは、円安によるものだ。
第2の原因は、自国通貨建てでみた一人当たりGDPで、日本の成長率が低かったことだ。
2010年から22年までの期間の成長率を見ると、次の通りであり、大きな差がある。日本1.11倍。韓国1.60倍。台湾1.71倍。
日本の成長率が低くなる大きな原因は、人口高齢化が進んで労働人口の増加率がマイナスになっていることだ。ただし、ここで見ているのは一人当たり計数なので、これによる影響はかなり緩和されている。