(2)食事誘発性熱産生

 食事中や食事後に、身体が温まってくる感覚があるように、「食事誘発性熱産生」とは
食べ物を食べることによって消費されるエネルギーのことを指します。

 この代謝を高めるためのポイントは、まず、よく噛んで食べることが大切です。噛むことにより交感神経が刺激され、しっかりと代謝活動が行われます。また食事誘発性熱産生は、食べ物に含まれる栄養素によって違ってきます。タンパク質、糖質、脂質の順に代謝量が大きいので、肉や魚、卵、大豆、大豆製品などのタンパク質をしっかり取ることでも代謝量を増やすことができます。

(3)身体活動量

 1日の中でどのくらい身体を動かしているのかを示す値が、身体活動量です。運動や家事など日常的な動作を指すため、よく身体を動かしている方ほど代謝量は多くなります。現代では、生活が便利で快適になるにつれ、身体を動かす機会も減り、代謝の低下に拍車をかけています。身体活動量は、こまめに身体を動かす、階段の活用や掃除など、普段の心がけ次第でいつでも増やすことができます。

 代謝は、年齢とともに低下していきますが、落とし過ぎないようにするためには、運動とともに、毎日の食生活が大切になってきます。このことを踏まえて、運動と食事を意識して生活していきましょう。次回は、実際にどのような食べ物を取り入れることが代謝アップにつながるのかをお伝えしますので、お楽しみに。

参考:厚生労働省e-ヘルスネット「ヒトの臓器・組織における安静時代謝量」