「代謝を良くする」には何をしたらいいのか

 総エネルギー消費量(24時間相当)は、基礎代謝量(約60%)、食事誘発性熱産生(約10%)、身体活動量(約30%)の3つで構成されています。

(1)基礎代謝量
 呼吸をしたり、内臓を動かしたり、体温を一定に保つなど、生命を維持するために私たちが無意識に行っている活動を支えているのが基礎代謝です。基礎代謝は1日の消費エネルギーの60~70%を占めます。

「基礎代謝量が高いと痩せやすい」とよく言われているように、ダイエットにも関係があります。一般的に加齢に伴い基礎代謝量は低下します。主な理由としては、筋肉量が減る、活動量が低下する、その他複数の要因が組み合わさり、総エネルギー消費量(24時間相当)も加齢に伴い低下していきます。

 身体の部位別に消費エネルギーを見てみましょう。以下の表に記載があるように、骨格筋(筋肉)や肝臓などの消費エネルギーが高い部分を鍛えたり、循環を良くしたりすることが、基礎代謝アップにつながってきます。

体の部位別の消費エネルギー(筆者作成)体の部位別の消費エネルギー(筆者作成)

 骨格筋(筋肉)を増やすには、適度な運動とタンパク質の摂取が大切です。特に大きな筋肉を鍛えることで効率よく筋肉アップにつながるので、背中や下半身を動かすことを日常でも意識していきましょう。運動の時間が取れない方は、歩幅を広くして歩いたり、エレベーターやエスカレーターを使かわずに階段を使う習慣にしたり、姿勢をよくするなど、日常の習慣を少し変えるだけでも鍛えることができます。タンパク質は、肉や魚、大豆、大豆製品、卵、乳製品など1~3日単位で色々な種類のタンパク質を取り入れられるように意識していきましょう。

 肝臓の働きを高めるには、食習慣を見直すことが大切です。暴飲暴食、お酒の量、食事を取る時間帯を見直して、主食、主菜、副菜をそろえてバランスを意識した食事を取り、お酒をよく飲む方は、お酒を飲まない休肝日を設けて、肝臓を休ませることが大切です。