治療費が高くて、不透明、内訳がよく分からない。患者を不安にさせる自由診療といえばインプラント、歯科矯正、それにホワイトニングだ。特集『決定版 後悔しない「歯科治療」』(全23回)の#13で、それら費用の内訳や原価のホントを知って、もやもやを解消しよう。(ダイヤモンド編集部論説委員 小栗正嗣)
歯科治療機器は高額だから
自由診療費が高くなるのは当然!?
「当院はマイクロスコープを使って精密治療を提供しています」――。
最大倍率で20倍くらいに拡大できる歯科用顕微鏡は、最先端設備のシンボルと言っていい。
安いメーカー製の200万円を切るぐらいのところから始まって、通常、使われるものは300万~350万円くらい。高いものは600万~800万円、さらには1500万円ほどかかる高級機もある。歯科の治療機器にはお金がかかる。
2014年から段階的に保険適用が始まっているCAD/CAMクラウン(かぶせ物)、CAD/CAMインレーに院内で対応しようと思えば、CAD(Computer Aided Design)で大体300万円前後、CAM (Computer Aided Manufacturing)の方は200万から600万円くらいはかかる。2000万円を超えるもっと高級なものもある。
そもそも歯科医院に欠かせない歯科用の診察チェアユニット。その価格は1台100万~500万円で、300万円台がボリュームゾーンと結構な値段だ。
従って、治療費も高いのは当然か――。そうはいかない。不透明な自由診療の代表格であるインプラント、歯科矯正の治療にかかる費用の内訳、使う材料の原価のホントを知っておこう。まずはインプラントである。