飼育放棄にならないためにできること
「自分の家にペットを迎える」以外の選択肢

 これらの準備は、本来、飼い主の年代にかかわらず必要なものだ。とはいえ、40代、50代からペットを飼う場合には、飼育が困難になる可能性が若い頃と比べて高くなるのは否めない。

 いざという時の預け先がない、経済的に不安、健康に自信がないというなら、自分でペットを飼うのではなく、ボランティア活動という形で犬猫と関わるという選択肢もある。里親が見つかるまでの一時預かり、子猫のミルクボランティアや犬の散歩ボランティアなど、行政や動物愛護団体が募集するペットの世話をする活動は、実はたくさんある。動物とのふれあいで癒やされるのはもちろん、仲間との会話、社会貢献のやりがいを感じることもできる。

 ペットとの触れ合いは、かけがえのない素晴らしい時間である。だからこそ、それぞれの状況に合う方法でペットとの関わり合い方を見つけてほしいと思う。

参照:
一般社団法人 ペットフード協会「2022年(令和4年)全国犬猫飼育実態調査 結果」
https://petfood.or.jp/topics/img/221226.pdf

アニコム損害保険株式会社「2022最新版 ペットにかける年間支出調査」
https://www.anicom-sompo.co.jp/news-release/2022/20230303/

PLOS ONE「Evidence that dog ownership protects against the onset of disability in an older community-dwelling Japanese population」https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0263791