セカンドライフでペットを迎える
デメリットとは
このように、ペットの寿命と飼い主の年齢を考え、“最後のチャンス”と考えてペットを飼い始めるメリットは多い。しかし、セカンドライフでペットを迎えるのは課題も多い。「最後のチャンス」だったはずが、予期せぬ大きな問題を抱え窮地に追いこまれてしまうこともある。
ペットの寿命が尽きるまで責任を持って飼育する「終生飼育」のためにも、ペットを迎える前に、事前にその課題を理解し準備しておくことが大切である。
・金銭的な負担
ペットの飼育にはお金がかかる。アニコム損害保険株式会社の「2023年ペットにかける年間支出調査」によると、1年間にかける費用の平均は犬が35万7353円、猫が16万766円である。さらに、通常の通院に加え、病気やケガで数十万、数百万円という高額な治療費がかかる場合もある。
60~70代といえば、会社員なら定年を迎えて、年金や貯金の切り崩しで生活する人もいるだろう。ペットの生涯を、責任をもって世話し、お金をかけられるのかも考えて準備しておく必要がある。
・老老介護問題
ペットを飼い始めた時には気力も体力もあった人でも、年を取り体力が落ちてくれば、ペットの世話を負担に感じることもあるだろう。「握力や視力が落ち、爪切りができなくなった」「猫のトイレの掃除がしんどい」「犬の散歩がつらい」といった声も聞く。
ペットも高齢になれば、体も弱り、病気になったりけがをしやすくなったりする。寝たきりや認知症になれば、いわゆる老老介護の状態になってしまう可能性もある。
一方、飼い主に介護が必要になることもある。ヘルパーが世話できるのは介護保険の被保険者のみで、ペットの世話は適用範囲外となり対応できない。自分が介護を受ける立場になったら、ペットの世話を見てくれる人はいなくなってしまうのだ。ペットシッターなどのサービスを利用することも考えられるが、経済的負担はかなり大きくなる。