偏差値35から東大合格を果たした現役東大生の西岡壱誠氏によると、頭がいい人の「ノートやメモの取り方」には共通点があり、それを真似することで、誰でも質のいいインプットやアウトプットができるようになるといいます。
本記事では、1000人以上の東大生のノートを分析した結果をまとめた『「思考」が整う東大ノート。』の著者である西岡氏に「伝わる文章を書くコツ」について話を聞きました。

東大流「伝わる文章」を書くたった1つのコツPhoto: Adobe Stock

「話がわかりづらい」と言われ、
自分で書いたメモを見返してもわからなかった

みなさんは、「君の話はわかりづらい」と言われることはありませんか? または、「君の文章は伝わりづらい」と言われたことがある人も多いのではないでしょうか?

僕は昔からそんな風に言われることが多かったです。相手に自分の話を伝えるのが下手で、自分が話すと、多くの人からうんざりした顔をされました。自分が書いたノートやメモもわかりにくくて、あとから自分で見返してもよくわからないことが多発し、偏差値は低迷していました。

東大は「伝え下手」では受からない

そんな自分は、東大を目指すことになったわけですが、東大は「記述問題が9割」の入試を課す大学であり、書いている文がわかりづらいと不合格になってしまう大学でした。

「相手に話を伝えるのが下手」な自分のままでは、到底合格はできなかったわけです。

しかしある日、自分は「東大生が書く文」の共通点を見つけて、相手に話を伝えるのが上手になったのです。


「東大生が書く文」の共通点

それは、主語と動詞をしっかり意識して文を書くことです。

たとえば、次の文を見てください。

「Aさんはこの前BさんがCさんと泊まっていたホテルの最上階にいる」

この文は、ちょっと伝わりにくいと思いませんか? 登場人物が多くて、結局誰が何をしているのかわかりづらいですよね。でも、これだったらどうでしょう。


「Aさんは、あのホテルの最上階にいる」「Bさんは以前、そのホテルに泊まっていた」「Cさんはその時、一緒に泊まった」

これなら、理解しやすい文になったと思います。これは、誰が何をしているのか」を整理して書いたからです。

最初の文では、登場人物が多くて誰がどんな行動をしたのかわかりにくくなってしまっています。それを、それぞれAさんが何をしていたのか、Bさんが何をしていたのか、と整理することで、読みやすく理解しやすい文になったのです。

主語と動詞を整理すると「伝わる文」になる

このように、主語と動詞を整理することには大きな意味があります。文は基本的に、「誰が何をする」という情報を伝えるものです。ですから、その2つの情報をあらかじめ整理しておくと文が相手に伝わりやすくなるわけです。

そしてこれは、勉強において大きな効果を発揮します。特に歴史の勉強では、いろんな国や登場人物が登場するので、整理しやすくなるのです。

たとえば、「アヘン戦争の結果敗北した清朝はイギリスから不平等条約を結ばされた」とノートに書いているうちは、頭の中が整理されません。

「清朝は、アヘン戦争で敗北し、不平等条約を押しつけられた」
「イギリスは、アヘン戦争で勝利し、清朝と不平等条約を結ぶことに成功した」

というように整理することで、それぞれの国がどんな行動をしたのかが整理できるようになります。みなさんぜひ、参考にしてみてください。