日本人の英語熱は明治維新の頃から高まり続ける一方、英語学習を「つらい」と感じる人はいまだ多い。そういった無邪気な学習者たちに笑顔を取り戻してもらうべく、仕事ができない社員や、愛社精神の低い社員、窓際族などによる非エリート風の言い訳や失敗をまとめた書籍『ろくでもない英語の言い訳300』が刊行された。ネイティブもあきれかえる、職場では絶対に使えないその内容とは? 同書から特別に一部を公開する。
「筋肉に裏切られたので遅れます」
“I’m going to be late because my body has betrayed me.”
「ブルータス、お前もか」は共和政ローマ末期の政治家カエサルが、腹心のブルータスらに暗殺された際に漏らした言葉で、親しい人に裏切られた嘆きを表しています。かように、裏切りが最も効果を発揮するのは家族や友人といった裏切りから遠い存在によって実行された場合です。日頃のトレーニングに余念のない方こそ、筋肉を信頼しています。裏切られたときの衝撃はより一層艶やかでしょう。
冴えない電車通勤のフレーズ
「助走が足りなくて、電車に乗れませんでした」
“I didn’t make it onto the train because I didn’t get enough of a run-up.”
「電車とホームの間が開いているところがありますので、乗車の際はジャンプ力にご注意ください」
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「ごめん! アリバイを捏造するから、時間通りに行けないかも!」
“Sorry! I may not be able to arrive on time as I’m busy fabricating an alibi.”
かつて一世を風靡(ふうび)した鉄道トリック。時刻表を巧みに使い、アリバイの捏造を大量に生み出し火サスを陰で支えていましたが、乗り換えアプリの登場や監視カメラの設置などが進み、現実の犯罪とともに姿を消しつつあります。西村京太郎先生も草葉の陰で泣いているでしょう。
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「この遅刻が、その後の展開の伏線になるので、お楽しみに!」
“My tardiness will serve as foreshadowing for upcoming developments. Don’t miss the next episode!”
クビ又は左遷(させん)によって回収される未来しか予想できません。
(本稿は、『ろくでもない英語の言い訳300』を抜粋、再構成したものです)