日本人の英語熱は明治維新の頃から高まり続ける一方、英語学習を「つらい」と感じる人はいまだ多い。そういった無邪気な学習者たちに笑顔を取り戻してもらうべく、仕事ができない社員や、愛社精神の低い社員、窓際族などによる非エリート風の言い訳や失敗をまとめた書籍『ろくでもない英語の言い訳300』が刊行された。ネイティブもあきれかえる、職場では絶対に使えないその内容とは? 同書から特別に一部を公開する。
「スポーツは何が得意ですか?」
「盲牌(もうぱい)です」
“What sports are you good at?”
“I’m good at reading mahjong tiles by touch.”
「盲牌」とはマージャン用語で、絵柄を見ずに指の腹で牌を触り、どの牌か識別するというマジックのようなイカサマ。もとい、技です。一般的にマナーの悪い行為とされ、プロの団体などではご法度です。高度に極めれば努力の証明になるかもしれませんが、面接の自己PRとしてはいささか不適切かもしれません。ここはさわやかに、「コンビ打ち」などで友人との熱い友情を語ってみるのはいかがでしょうか。
正々堂々と評価を避ける自己PR
「特技や強みはありますか?」
「寝返りです。全中に出たことがあります」
“Do you have any other specialties or strengths?”
“I’m good at tossing and turning. In fact, I competed in the national junior high school competition.”
全中とは「全国中学校体育大会」のことで、中学生のスポーツの全国大会です。社会人になると、過去の武勇伝を語る大人たちが雨後のたけのこのように湧いてきますが、「全中出た」は都合よく使われがちです。インターハイだと何かのきっかけで捏造がバレないとも限りませんが、全中は記録を追跡しにくいため安全なんでしょう。
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「専門分野や資格を持っていますか?」
「通常攻撃で、2回攻撃できます」
“Do you have any special skills or qualifications?”
“I can usually attack twice per turn.”
通常、RPGゲームでは敵と味方が1ターンずつ交互に攻撃を行います。ところが、一部に1ターンの中で2回以上の攻撃をしてくるタイプのキャラがおり、例文が「それ」です。通常時でも2回攻撃できるタイプは珍しいので、採用をおすすめします。
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「特技はなんですか?」
「ケーキを3等分することができます」
“What is your special skills?”
“I can divide a cake into three equal parts.”
面接で聞かれる質問としてはいささかイレギュラーですが、このような質問を受けるということは、面接官もあなたに興味津々のはず。合格までもう一歩ですので、「親指の第一関節を逆方向に曲げられる」とか、「耳でギョーザが作れる」みたいなしょうもない特技を披露して面接官の心証を害さないようご注意ください。
(本稿は、『ろくでもない英語の言い訳300』を抜粋、再構成したものです)