今や多くの企業が導入している「社内公募制度」。社員の部署異動の手段として定着しているが、社内に公募求人サイトを設けて、外部への転職さながらの厳しい選考を経なければ異動が叶わない「社内転職」を積極的に行うレバレジーズの取り組みは異色といえる。同社に、制度導入の狙いや人材戦略について話を聞いた。(清談社 真島加代)
若手と女性の働きがいで
高い評価を受けるレバレジーズ
Great Place To Workが、全世界で開催している「働きがいのある会社ランキング」。その日本版で、今年の大企業部門5位、女性部門と若手部門で1位を獲得したのが、レバレジーズ株式会社だ。
「当社は、IT、医療、介護、ヘルスケアなどさまざまな業界で人材関連事業やインターネットサービス事業、M&A仲介事業など、多種多様な50のサービスを国内外に展開しています。2023年7月現在、2055人が正社員として在籍しており、社員の平均年齢は27歳。企業規模は3年間で約2倍に成長し、年商は約800億円に達しました」
そう話すのは、レバレジーズで執行役員を務める藤本直也氏。若い世代が中心となって成長を続けている同社では、社員のエンゲージメントを高めるために「個人選択型HRM(Human Resource Management)」という人材マネジメント戦略を取り入れているという。
「個人選択型HRMとは、会社ではなく、個人が自律的・自己選択的に仕事や働き方、キャリアを選んでいくマネジメント方法です。当社では、創業時から会社・事業のwill(方針)と個人のwill(やりたいこと)の一致を重視しています」
一人ひとりがやりたい仕事に携われば、パフォーマンスが高まるうえ、企業と個人の「will」の不一致による離職も防げる。レバレジーズの個人選択型HRMは、社員のキャリアアップと、企業の方針をバランス良く調整するマネジメント方法なのだ。