社長室が運営する
社内公募求人サイト「レバキャリ」

 同社では、社員の選択肢を増やすために「事業部交換留学制度」「事業創造・業務改革コンテストの開催」など、さまざまな取り組みを行っている。そのうちのひとつが、社内公募求人サイト「レバキャリ」の運営だ。社内公募を実施している企業の多くは、人事部が母体になるが、レバレジーズでは社長室がサイトの運営を行っているという。

社内公募求人サイト「レバキャリ」「サイトには『レバキャリ』を利用して異動した社員のインタビューも掲載しています。他社の社内公募制度との違いは、弊社の場合、ほとんどの事業が成長しているので、各ジョブの定員が常に増え続け、求人を出したらほとんど出しっぱなしという点ですね」(藤本氏) 拡大画像表示

「『レバキャリ』に掲載される求人票には、業務内容の情報と応募フォームが設置されており、一般的な転職サイトとほとんど同じ体裁です。選考フローは事業部ごとに異なりますが、どこも社外に転職するのと遜色ないレベルの選考を行っています。私が事業部長を務めるマーケティング部では、1次面接の後、ケース面接で論理的思考力や概念的思考力をチェックします。そして最後に、事業部長の面接に合格すれば、晴れて採用(異動)という流れです」

 社内求人に応募した社員の情報は、サイトを運営する社長室と、選考を行う事業部だけが把握できる。在籍中の事業部には知られずに応募できるのも、社外への転職と共通している点だ。

 また、レバレジーズは、営業、事業企画、マーケター、エンジニア、UI/UXデザイナー、データアナリスト、などあらゆる職種のスペシャリストが全て社内に揃う“オールインハウス”という体制を取っている組織。そのため、営業部からマーケティング部、マーケティング部からエンジニアリング部など“未経験職種”への転身も可能だという。

「求人には何度でも挑戦できますが、しっかり対策をしなければ受かりません。お互いに中途半端な気持ちで新しいメンバーを受け入れてしまうと、教育に苦労してしまうので、どの事業部も真剣に選考していますね。社内求人といっても、本人も受け入れる側も覚悟を持って採用しています。そのため、社員を送り出す側は異動を拒否できないのが、この制度の特徴です」

 ゼロからのスキルアップが求められるため、生半可な気持ちで臨んでも採用されない。社員の熱意も重要なチェック項目となるようだ。